学力アップの秘訣

学力アップのために必要なことは何でしょう?
暗記を完璧にする、とにかく問題をこなす、などなどありますが、私は論理的思考力の向上であると思います。

論理的思考力とは簡単に言うと、筋道を立てて物事を考える力です。
例えば、あなたは子どもだとしたとき、親に「ご飯の前にお菓子を食べたらダメ」と言われて素直に言うことを聞きますか?割と素直に聞き入れる方も多いと思いますが、「なんで?」と聞き返したくなる人もいるんじゃないでしょうか。「なんで?」に対して、「必要な栄養が取れないから」と返されたとしましょう。やはり「なんで?」となりそうです。ここでは、「ご飯の前にお菓子を食べてはダメ」という結論に対して、「必要な栄養が取れない」という理由はありますが、理由と結論に関連性があるように見えません。
では、「野菜や肉には体に必要な栄養がたくさん含まれていて、お菓子ではその栄養が取れないんだ。ご飯の前にお菓子を食べておなか一杯になってしまったら、必要な栄養が取れないでしょう。だからご飯の前にお菓子を食べたらいけないよ。」と言われたら、さすがに納得してくれる人が多いのではないでしょうか。

野菜や肉には体に必要な栄養が含まれている
→お菓子ではその栄養が取れない
 →ご飯の前にお菓子を食べておなか一杯になってしまったら必要な栄養が取れない
  →だからご飯の前にお菓子を食べたらいけない

という風に理由や理屈がきちんと筋道になっています。
こういった筋道のことを論理と言います。ですから論理的思考力は、物事を考えるときに理由や理屈を筋道立てて考える力のことになります。直観的や感情的という言葉が反対の意味に近くなりますから、理屈っぽく考えると言い換えてもよいかもしれません。

勉強においてはどの教科においても重要な能力ですが、特に国語数学で重要な能力です。
例えば、国語の文章問題で「この時の筆者の主張を答えなさい」という問題が一度は出たことがあるかと思います。この問題は、文章中に筆者の主張となる文を論理的に抜き出してくる必要があります。「文中に○○と書かれているから、筆者は××と主張しています」という風に、〇〇の部分の論理を読み取るにあたって、論理的思考力が必要になります。

数学はというと、そもそも数学は論理で成り立つようにつくられた学問なので、足し算一つ取っても論理的です。ただ、実際に問題を解く際に足し算を論理的に解いているかと言えば、わざわざ深く考えずに作業になります。これが文章問題になったり、試験問題のように難しくなるくなるごとに論理的に考えなければならなくなります。
文章問題は、文章を論理的に数式に落とし込む必要があります。問題が難しくなると、「この問題に回答するためにはこっちを先に求めないと」という筋道を決められるかが重要です。ですから、計算問題できるから数学は大丈夫と思っていたら、いつの間にかわからなくなっている、なんてことになりがちです。
計算問題は得意なのに文章問題が苦手という人は、計算の処理能力に長けていて、論理的思考力がもう少しという場合が多いです。逆に言えば論理的思考力を磨けば計算も早いし、難問も対応できるしで無敵です。計算は得意だけど文章問題が苦手という人は、ぜひ一度本塾に来てみてください。

論理的思考力が向上すると端的に言えば読解力に影響してきます。勉強は教科書の文章を読むものですから、どの教科の勉強をするにも絶対に必要な能力だと思います。また、論理的に考えられていると忘れづらいというメリットもあります。論理という筋道ごとセットで覚えているため、周辺知識と合わせて頭にしっかりと入っているからです。とにかく問題をたくさんやれば成績は上がりますが、付け焼刃の一時的な学力になってしまう場合もあります。論理的思考力をしっかりと向上させることが、本当の意味での学力向上であると私は思います。
じゃあ論理的思考力ってどうやって伸ばすのかというところは次回の記事にしたいと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

2023/8/24